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発行元 :立木義浩写真事務所
発行日 :2022年8月16日
サイズ :B5 縦
ページ数:38ページ *サイン入り
2022年8月Jam Photo Galleryで開催された写真展と同時に発刊。
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「旅先で撮りそこねた写真は、網膜が記憶している。ときにそれを思い出させる悪魔の囁きが聞こえる。あのときモノにしていれば......と。いやな奴だ。
そしてまた、いつまでたっても個人的に気になる写真がある。 撮影の瞬間の、その場の状況も目に浮かぶ。撮って選んだものは、撮れなかった、あるいは、撮ったけれど選ばれなかったものの氷山の一角にすぎない。写真を選ぶ作法、フォト・リテラシーは、身体的で直感を必要とする。 才知やウィットは、写真の中にこそほしい。写真は、自己表現ではなく、宇宙的世界の豊かさを表す。
あちこちの外国で、どんなに無我夢中で写真の日々を送ったところで、すべて断片に過ぎないのは、群盲象を撫でるに似て、全貌を見渡せない証しなのだ。写真は大きな世界の一部として撮られるからこそ、断片の凄さが際立つ。自分の視野の限界を世界の限界だと決めつけないことも大事だが、それは、かんたんなようでいて、むずかしい。
今回の展示プリントは、デジタルネガをつくり密着銀塩プリントしたものと、スキャンデータからデジタル・プリントした 2 種類を、ご覧いただく。」
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立木義浩 (たつきよしひろ)
1937年生。徳島県出身。1958年東京写真短期大学技術科卒。アドセンター入社。1969年フリーカメラマンになる。女性写真の分野やスナップ・ショットで多くの作品を発表。 広告、雑誌、出版などの分野で活躍し現在にいたる。写真集に『イヴたち』『加賀まり子/私生活』『マイアメリカ』『東寺』など、近年では『Tōkyōtō』『動機なき写真』を出版。1965年のデビュー作『舌出し天使』の写真集を2018年に出版。