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発行元 :Jam Books
発行日 :2021年10月12日
サイズ :210mm × 210mm
ページ数:ソフトカバー 200ページ
※新山清作品 ポストカード10枚付。鶴巻育子セレクト、内容はお楽しみに。start35とは別の写真になります。
※※発送は2021年10月12日以降となります。
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新山洋一コメント
父である清は一人の私に早くから私にカメラを渡してくれた。小学校の4年頃と思われる。遠足、学校、親戚、親の写真を撮った記憶はあるが、そのあとまったく忘れていた。24歳のとき、膨大に残されたネガ・紙焼きを見てもどうすることもできなかった。30歳で写真の業界に入り、写真整理用品販売の(株)コスモス インターナショナルを立ち上げ、2004年からはギャラリー コスモスを始めて清の写真を改めて見た。清作品の写真展をたくさん開催した。その時、戦前より前のネガの他、スタート35のネガがきれいに整理されていた。それらのネガには、清の撮った写真、親子で撮り合ったカットや私が撮った写真が鮮明に写し出されていた。なぜ3台のスタートカメラが手元にあるのかは不明。推測はいろいろしているが解からない。
清が日曜に撮影にいくとき、母は「洋一を一人にしないで」との思いからか、同行を希望。モデルの撮影会、新春の魚河岸の初荷、皇居、ライスボール等につれていってくれた。清は主要カメラで撮りながらスタート35でも撮っている。そして、私も同カメラで撮影を楽しんだ。
大変な人気カメラだったのだが、撮影前後の取り扱いが難しく、当時を知る写真家に聞くと「使った記憶はあるが、ネガが残っていない。」と語る人が大半、清は戦前のパーレットカメラを使いこなした経験からこのカメラを上手く使いこなしていたのだろう。
戦前戦後、清は常に新しい風景写真を撮りたいと書き残している。清にとって、スタート35の位置づけはわからないが、いま撮られた写真を見てみると、写っている人々は気取らずリラックスした様子が伝わってくるように思われるし、街のスナップや風景はベークライトカメラならではの軽快さが感じられる。これらの写真は、現在のスマホ写真と共通する気もする。清が残した60~70年前の映像が、現在の若い人たちにどう伝わるかとても興味がある。
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スタートカメラ35は昭和25年10月野村光学研究所・野村勝雄氏によって、カメラ初心者や若い人に使ってもらいたいと言う思いから、「初級機は安価に生産されねばならない」「操作が簡単でなくてはいけない」「よく写らないといけない」これらをモットーに開発を始め完成したそうです。
ベークライト製のボディーにレンズとシャッターが付いたシンプルなカメラで、使用するフィルムはパーフォレーションのないボルタ判で35mmの幅の中に24x24mm、12枚撮り。一光社から発売され、その後色々な会社から同じような形態のカメラが発売されました。新山清が撮影に使用した機種は、Start35、Start35II型、Start 35K型の3種類です。